東京大学ヨット部合宿所

森戸海岸エリアには、古くから多くの大学ヨット部の合宿拠点があります。東京大学のヨット部も、海岸から丘を登った場所に合宿所がありました。老朽化が進んだことや部員数増加に伴って、新たな合宿拠点が求められてきました。 東京大学の現役ヨット部部員やOBとのデザインワークショップを15回以上開催し、運営方法の見直しや設計への反映を行いました。
山間の谷に位置する敷地は、南北それぞれの崖条例の規制角度に最大限配慮し、ヨット部員全員が寝泊まりできるスペースを確保しています。この条件から導かれた水晶の原石のような平面断面は、まるで崖から削り取られたかのような印象を与えます。部員の自給自足を支えるオール電化キッチンやシャワーのエネルギーは、屋上の太陽光パネルによって補完されています。

森戸海岸の丘の上から相模湾を望む。
ソーラーパネル設置の建築が当該施設。

現役部員だけの宿泊施設ではなく、1階は地域の皆さんとのワークショップを開催できる広間としても機能し、3階は他大学の遠征合宿先やヨット部OBの集いとして貸し出される談話室を計画しました。そのテラスからは、四季折々の相模湾を望むことができます。

男子寝室兼ミーティングルーム(1階 )
ヨット用具が並ぶ広間。地域の方々とのワークショップも開催できる。

談話室(3階)
テラスからは相模湾や江ノ島、富士山を一望できる。

男子寝室兼食堂(2階 )
間仕切りのない大空間は食堂、寝室、ミーティングと様々な用途に対応。

玄関土間(1階)
屋内での船体メンテナンスにも活用できる土間空間。

2023年8月竣工